宇宙のあらゆる場所で、人を含むあらゆる生物(もしくは鉱物、浮遊物とかも)が、それぞれの孤独を抱え、確実な受信の当てもなく、発信を続けている。そして何もそれは、悲壮感漂うことではない。(梨木香歩『水辺にて』)
9月になりました。こちらは秋のような日がつづいておりましたが、昨日あたりから、また少しずつ蒸し暑さが戻ってきています。とはいえ、着実に秋に向かっています。いかがお過ごしでしょうか?
8月は、3月につづいて、「新・道草のススメ」を1ヶ月間、書きました。個人的には、書きはじめたときには想像もしなかった出来事もあり、いろいろな心の動きがあって、忘れられない月になりました。と、そこまでは読んでいるだけでは、わかりづらいかな? とは思いますが、ひきつづきアップしておきますので、え? やってたの? という方はぜひご覧ください。
『アフリカ』最新号(第23号/2014年8月号)は、もちろん9月になっても10月になっても(なくなるまで)販売中。
相変わらず、地味に一冊、一冊、売れています。お買い求めいただいた方々、いつもご愛読いただいている方々へ、ありがとうございます。こちらはすでに次号の原稿を読んでいる最中で、新しい試みにも、少しずつ手が出ているところです。しばらく停滞気味だったと自分では思っているのですが、ようやく、動き出すことができています。
8月末には、ここでも少し触れていた「ことばのワークショップ」の最初のイベントをやりました。
今回は、NPO法人ダイバーシティ工房(市川市)が運営する、ふたつの塾──スタジオPlus+と自在塾の中高生がターゲットです。
スタジオPlus+に通っている人たちは、いわゆる“発達障害”をもつ人たち。“発達障害”とは何か? スタジオPlus+のサイトをリンクしておきましょう。今回は、“発達障害”の人も、そうじゃない人も集まってくれました。顔を合わせたら、みな、そこでは対等なメンバーになります。
今回のワークショップ、開始前に、準備してあったテーブルや椅子を、すべて教室の隅に追いやって、ガランとしたスペースづくりからはじめました。会場となったスタジオPlus+市川中央教室には、さまざまな形や色をした椅子が、いろいろあります。到着した人は、好きな椅子を持って、教室の真ん中付近に集まって好きに過ごしていてください、ということにしました。そこから、ワークショップははじまっています。
当日は、こんな“しおり”も配りました。シャレてるでしょ?
さすが、魅力的な問題(?)を抱えたメンバー、時間通りにたどりつけない人、スタッフが電話をかけてようやく起きられて、走って向かってきた人、そういう人もいました。まだ到着していない人も数名いましたが、ぼちぼちはじめます。(最終的には6人、スタッフも合わせて9人のワークショップになりました。)
まずは、企画者、ファシリテーターであるぼくの自己紹介から。まずは、自分は吃音者で、スムーズに喋ることができないこと、だから時間通りに進めることが(じつは)苦手なこと、など、自分の“弱み”の紹介から。
そして、「ワークショップって何?」という話。「ショップって、店だよね?」と言った人がいました。「では、ワークは?」というと、「仕事かな?」。そんな話から。
ワークショップとは? いろんなニュアンスで使われるようですけれど、ここでは、「先生が教える」のではなく、「みんなで学ぶ」時間や場のこと。なので、ぼくは先生ではありません、ワークショップには先生はいません。なんてことを言ったら、スタッフも一緒になってポカンとしていたようでした(笑)。
そこからワークショップの本編。同じ塾に通う人同士でも、じつははじめて会う人たちばかり、とのこと。自己紹介からやりましょう、と。自己紹介というと、なんだか堅苦しい気がして、当日は「お互いのことを話す時間」と言っていました。
名前と、最近興味があること、とか、マイ・ニュースを少し話してください、ということにしてお喋りをはじめたら、好きな色について語りはじめる人、アルバイトの体験談を話す人、遠くから引っ越してきたことを話す人、自分の性格について話す人、いろんな話がでました。これだけでも、けっこう面白い。
それからその日のメイン・テーマは、「音を聴いて、何か書いてみよう」というもの。
ぼくの準備して行った“自然音”のCDから、リクエストを募って、マレーシアのジャングルの一日を編集した7分ほどの音に、全員で耳を傾けました。
そのあと、紙とペンを持って、各自、教室のなかの好きな場所(個別ブースや、歓談のできるテーブルが散らばっている)に行って、短い作文をします。
その作文のあとの語り合いは、とっても自由で、充実したものになりました。今回は短い時間でしたから、じゅうぶんには書けなかったでしょうけれど、短い時間で、パッと出てきたものを書きとめるという作業は、じつはかなり面白いものです。
※今日は時間がなくなったので、ここまで。つづき、また書きます。
※最後にお知らせですが、今後つづけていく「ことばのワークショップ」の「発達障害の中高生向けのSSTプログラム」にかんして、「READYFOR?」での寄付募集がはじまっています。
今回は「30万円」という数字を掲げてあります。けれど、もちろん見定めている目標はその先、持続的な「場」や「プログラム」を育てていくこと。関心をもっていただける方にはいろんな方がいて、そこにはいろんな応援の仕方──かかわり方があると思います。
まずは、ぜひご覧ください。私自身、今回「ことばのワークショップ」を通して、彼らのあたたかい「場」に触れ、堅実な仕事ぶりを感じていて。よいパートナーになれたらいいなぁと思っています。何よりも、集まっている「人」たちが、何だかいいんですよ!
9/13(土)には、今回の「READYFOR?」にからめて(一般向けの)イベントも開催して、私はワークショップの縮小版を実際にやる予定になっています。
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