2014年8月12日火曜日

言い訳のリスト──『アフリカ』第23号(2014年8月号)の予告

 競争しない。自分で走るだけ。(中村好文)

 ずいぶん、更新が空いてしまいました。いかがお過ごしでしょうか? 今年もあっという間に、夏。世間はお盆休みだそうです。こちら、そういうのとぜ〜んぜん関係なく(?)過ごしています。ここではお伝えしそびれていましたが、今月、また「新・道草のススメ」を書いていますから、そちらもぜひご覧ください。

 さ、なにはともあれ、『アフリカ』の話を。

 『アフリカ』〜曰く「日常を旅する雑誌」〜愛読者の皆様、たいへんながらくお待たせいたしました。最新号、ようやく完成して、印刷・製本所へと旅立っています。8月25日発売という予定です。定期購読者の皆様への手元へも、その前後にはお届けできると思います。
 2006年の創刊から、2011年までは、だいたい年に2〜3回。2012年からは、隔月を目標にやってきて(それだけ出したい原稿があった)、それが昨年2013年から少し「のろく」なり、今年になってからは、1月に22号が出た以降、7ヶ月も空いてしまいました。
 で、ここから先は言い訳です。
 まずは、幼い子を夫婦で育てている編集人一家の事情が大きい。『アフリカ』は、ほとんど編集人の独裁(そうするしかない事情で)なので、編集人の都合が大きく影響してしまいます。やむをえない。ご了承いただきたく。
 ただ、今回は、それだけでなく、『アフリカ』自体が、いま、また変わろうとしている時期だということもあります。「つづける」ということは、「変わっていく」ことを是としていることだ、と話してくれた方が数名、おられます。ほんとうに、そのとおりだと思います。
 変わり目の号。考えていることを、すべて表現するには、もう少し時間が必要でした。その前に何ができるか… と考えて、いま元気な書き手のひとりにたくさんのページをさいて、特集… とまではいかなくても小特集くらいのことならできるだろう、と。
 で、声をかけたのは、高城青。
 最近の『アフリカ』では、お馴染み「エッセイ漫画」を継続して描きつづけています。
 彼女の新作──漫画、エッセイ──や、旧作の詩のほか、旧知の犬飼愛生さんによる高城青の「ひと」についてのエッセイ、下窪俊哉による高城青インタビューなんかも載ってます。こういう企画、『アフリカ』では、ありそうでなかったでしょう? インタビューは「小さい目立たない救いの話にしたかった」というタイトルですけど、いかにも『アフリカ』らしいと思いません?

 詳しいことは、また発売のころにでも。ひとまずは、目次をアップしてます。

 それにしても、光海が生まれる前の1月に出してから7ヶ月、ほんとうに長かった。とくに大きなトラブルがあったとかではないのですが… 何もなくて出来なかったので、なおさら苦しかった。トーン・ダウンしそうだった、と言えなくもないですから。今回は、なんだか「できた」という気がしません。この手の雑誌で、普通の雑誌なら、ここで終わるのかもしれません。でも、そこは『アフリカ』!(相変わらずよくわかんないけど…)しかも編集人は、危機になると張り切り出す人で… 苦し紛れのアイデアをいくつも出してくる。『アフリカ』の神さまも、「そこまで言うなら、まぁ、しゃあないなぁ」と言って、許してくれるみたいです(なんだそりゃ?)。

 何かわかりやすいテーマをたてて、それにふさわしい書き手に声をかけて、書いてもらう、という雑誌のつくり方は、いまも昔も、雑誌業界(?)の主流と言っていいでしょう。あるいは、その雑誌の読者(層)にウケそうな有名人に出てきてもらい、買ってもらう、とかね。書店やコンビニに置かれている雑誌の大半(すべて?)はそうです。また、ぼくの見ている限りだと、ミニコミ誌のような冊子も、多くがそれの真似事です。真面目な「プロ」ほど、それを踏襲するしかなくなります。逃れられなくなります。
 でも、それでは面白くない。そんなことでは、似たり寄ったりのことしかできません。内容が、つくり手にコントロールされている部分が大きくなるし。つくり手にコントロールされすぎた作品は、ほとんどの場合、完成したときには息をしていません。それでは、たとえいかにきれいに整えられたものでも、ダメだ。少なくともそれは、ここでやることじゃない。
 似たり寄ったりのことになる──時流に迎合するようなことは、商売をするうえでは、大切なことなのかもしれない。でも、時流に迎合している人たちに、自分が時流に迎合しているという認識に立ってやっている人がどれだけいるか? と思ったりもします。内容の前に「手法」が、そうなっているということに意識的な人が…
 何か、もっと、我々の生活に密着した「つくり方」をしていきたい。そのためには、そこで書いている人が、そこに書くのに必然性をもった人でないといけない。そして、有名性とかブランドとかには左右されない、たくましい「読者」を育てていきたい。
 なんて、ちょっと大きなこと(?)を言っていますけど、まだまだ、これからです。

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